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-1度目はストーリー、2度目はセリフや表情を。素敵なドラマは何度も楽しめる。-


このページは、No.1133 哉子がお伝えします。


★FLIGHT #05 「ニアミス」★

★☆ ストーリー

元は乗客としてキャビンに座っていた。加えて、元をはさんで右に香田、左にジェーンもいる。
実は出張帰りの機内だったりする。
香田が思いっきり広げた新聞に押されて左側に寄ると、今度はジェーンに邪魔だと押し返され…、さらには準備万端・安眠体勢のジェーンに毛布を強奪されてしまった元。キャプテンにはさまれてはコーパイも肩身が狭い。だが、せめて毛布は欲しい。ということで、キャビンクルーを呼ぼうとするが、ほぼ満席で大忙しなのが一目瞭然。元は改めてキャビンクルーの大変さを感じた。
やっと気付いてくれたうららに毛布を頼む。元の頼みということもあり、ひときわ輝く笑みをもって快諾したうららは毛布を取りに行く。
その途中で、今度は赤ペンを探している乗客に飛び止められた。黒はあるけど赤はないと伝えると、どこかにないか、と辺りを見渡すためにサングラスを取ったその乗客は…。
うらら「あっ!!熊川哲也!?」
そう、世界的にも有名なバレエダンサーの熊川哲也【熊川哲也】。
うららに言い当てられ、とっさに口元に人差し指を立てる熊川に、うららも察して同じ仕草を。
思わぬ有名人からの頼みに、これもまた満面の笑顔で快諾し探しに戻る途中、三たび呼び止められた。今度は一般の老婦人。これには「少々お待ち下さい」とだけ言い残して、ささっとギャレー(機内に設けられた厨房)へ消えた。
その接客の様子が香田の目に留まる。いや実は、元の頼みを聞いたその去り際に飲み物のカップを倒された時から、うららのぞんざいな所作が気になって注目していたのだった。
ギャレーをひっくりかえすような勢いで赤ペンを探すうららは、加藤が探し出したそれを受け取りキャビンへ戻った。途中、先ほどの老婦人に再び声を掛けられるが「もう少しお待ち下さい」と繰り返し、熊川哲也にまっしぐら。しかもサービス品まで持参して過剰なまでの接客ぶり。結局、老婦人の希望は太田によって叶えられるし…。
その一部始終を見ていた香田はたまりかねて、熊川に名刺を渡そうとしたうららの手首を掴み、そのままギャレーへと連れていった。
香田はうららに厳しい叱責を浴びせる。太田がフォローに入るも香田の信用を得られていないのでは止めることもできず、「C.A.としても人間としても失格だ」等々うららに対しての叱責はとどまることを知らなかった。
そこへ元が現れた。キャビンにまで香田の声が響いているので成田に帰ってからにしては?とその場を収めようとするが、香田はそれも聞き入れない。
うららは、そんな香田を前にいたたまれず泣き出してしまう。そして、泣いたままの姿ですがる(…いや、突進してきた)うららの勢いでカーテンの外へ押し出されてしまう元。騒然となるキャビン。元は、乗客に頭を下げつつギャレーにうららを押し戻し、面倒くささを顔面いっぱいに出して思いっきり舌打ちした。

成田に到着したうららは、太田に付き添われ、上司の久木田【藤田宗久】に謝罪。
久木田も香田に呼ばれて厳しく注意を受けたようで、うららは、しばらくシフトからはずれてC.A.の心得を再確認するよう言われた。
そこで、うららがキレた。後ほど香田にも謝ってくると頭を下げる太田を押しのけて、絶対に謝らないと断言し、自分のミスは認めるが、皆の前で自分を怒鳴りつけて恥をかかせた香田こそ反省すべきだと主張する。しまいには、もし謝罪しなければ名誉毀損で香田を訴えると言い放った。

歩実は元からお土産と称して封筒を渡された。
中を見るとボーイング機の新しい機内が載っているパンフレットだった。海外研修で見学して歩実の役に立つかと思って持ってきたという元は、研修内容について整備の意見を仰ぐ、と強調して食事に誘う。歩実の方も「だったらいいけど」と相変わらず素直じゃない。
そんな歩実に食ってかかろうとしたところに、元を呼ぶ安住の声。安住は香田の一大事を知らせにきたのだった。

乗員室長に呼ばれた香田は、うららが訴えると息巻いていることを知るが、謝罪すれば取り下げられると伝えられても一切謝る気はないと答えた。むしろ受けて立つと毅然としていた。
そこへ元が入室してきた。その状況を知る元に確認をとるために乗員室長が呼んでいたようだ。
乗員室長が認識している当時の状況は、肯定せざるを得ないものばかり。元がうなずくと「それでは訴えられても仕方がない」と言って香田と対峙する乗員室長。
見るからに香田の分が悪いのを目の当たりにして、元は慌てて香田の正当なる部分を挙げてフォローするが、それでも香田がやり過ぎたことは事実として、乗員室長は最悪の事態―香田に辞職してもらうことも有り得ると示唆した。
乗員室長を出た2人。「深浦がクルーを訴えるはずはない」と声を掛けながら、足早に歩く香田の数歩後ろを同じように歩く元。しかし、そんな元の言葉も、自分には何ら不要と言わんばかりに、冷静さを崩さず、明日のフライトに備えて体調を整えておくように忠告し、香田はさらに足早にその場を去った。

その頃、うららの話を聞いたC.A.達が、日頃の不満を爆発させ、香田と一緒のフライトには就きたくないと太田に詰め寄っていた。
太田はうららに「けしかけたのですか?」と尋ねて追及しようとしたが、うららは「事実を言ったまで」とあくまで対抗しようという姿勢。
そこへ富樫が現れ、うららを優しくたしなめると、矛先は太田から富樫へ向いていく。
C.A.達の話を聞いて、香田の厳しすぎる点を認めはするが「仕事で見返せば?」と言う富樫を前に、一瞬言葉に詰まったC.A.達だったが、うららだけは違った。
うらら「香田さんに味方するんですか?」
そう言われては富樫も上手く答えられず、結局うららの告訴も他のC.A.達の抗議も撤回されることはなかった。

翌日。
香田がキャプテン、元がコーパイを務める香港便のフライトプランに目を通していると、乗員室長が現れて、香田に、そのフライトをスタンバイのジェーンに任せるよう指示した。
香田が理由を尋ねると、C.A.達が香田とのフライトを嫌がっていると伝えられた。C.A.達の勝手を許すつもりはないが、乗客に迷惑が掛かるようなことがあってはならない。「これは私の判断だ」そう言い残して、乗員室長はきびすを返した。
乗員室長と入れ替わりにやってきたジェーンに「よろしく」の一言のみでキャプテンを引き継ぎ、香田はコントロール室を出て行った。
その香田の後ろ姿を、元が心配そうに見続けていると、ジェーンが元の視界をさえぎる。
ジェーン「何だよ。何…そんなに好き?香田さんのこと」
元は「いや…」とだけ答えて、少し考え込んでいるような顔を見せるのだった。

ジェーンがキャプテンだとコックピットもなごやかだ。
ジェーンは歌声も高らかに上機嫌だし、C.A.達のサービスもよくてコックピットに飲み物が運ばれるわ食事に誘われるわ…。
でも、元はやはり香田のことが気になっていた。

その頃、監査室で1人考え込む香田を富樫が陣中見舞に訪れた。
富樫は、始めて直面しただろう事態に「どんな顔をしているのかと思って」と少し冷やかているような言葉を口にするが、やはり香田を気遣って監査室に来たようだ。
香田「いっそ訴えられてクビになった方が楽かもしれんな」
富樫「そうかもね。そしたらあなたも、あの12年前のことから自由になれるかもしれないものね」
12年前に何があったのだろうか?―富樫のその言葉には答えることなく帰り支度を済ませてドアに向かった香田は、富樫に「お疲れさん」とだけ言って監査室を出て行った。

整備にも、香田とうららの件が伝わった。
歩実はC.A.のフロアに行った。華やかなC.A.達に気後れしながらもうららを探すが、いないようなので他を探して回ると、喫茶コーナーで雑誌と共に過ごすうららを見つけて、香田を訴えるという噂の真偽を確かめた。
それは本当のことで謝ったら取り消すと言って、うららが雑誌に目を落とすと、その雑誌を横から取り上げた歩実は、謝まるのはうららではないのか、と口にする。
これにはうららも聞き捨てならない様子で立ち上がって歩実と対峙する。
しかし、香田が理由も怒ることがないと感じている歩実もひるまない。今のうららのやっていることは逆恨みだとピシャリ指摘した。
うららは「あなたに何がわかるのよ」と言い放って、怒りもあらわに、その場を去っていった。

成田に戻った元は、監査室に行き、何事もなくフライトを終えたことを香田に報告した。
シフトの急な変更を詫びる香田に恐縮しながらも、うららとの件について経過を尋ねた。
香田からは、平穏ではあるがシフトからは外れることになったと告げられる。
「あの、俺になんか出来ることありますか?」
元の気遣いに面食らったような顔を見せる香田。
香田「言ったはずだ。人の心配をしている暇があったら」
「はい、自分の心配をします」
そんな元の気遣いを受け止めたのか、穏やかな顔で監査室を出る香田。元は監査室の天井を見上げた。

搭乗ターミナルでは、うららが一般客にまぎれて待合の椅子に座っていた。
その中でC.A.達が颯爽と歩いていく姿を見つけると、うららは寂しげにその場を立ち去った。

仕事を終えた元が駐車場に行くと、元の車のところでうららが待ち伏せていた。
無視して車に乗ろうとする元を引き止めるうらら。
元は「おまえダサ過ぎ」と呆れとも怒りともとれる表情を見せて、仲間を訴えるなんてくだらないことはやめるように言って、車に乗り込んだ。
「訴えるのやめたら結婚してくれますか?」この期に及んでまだそんなことを口にするうらら。だがすぐに冗談にして、しょんぼり歩いて帰ろうとした。
そんな風にされては、呆れながらも放っておけない元は、うららを引き止めて、助手席のドアを開けて座るようにうながした。

ターミナルを出た香田を待っていたのは歩実だった。
一緒に帰る道すがら色々話している中でお互いの無愛想ぶりを自慢(?)しあう2人。
臆することなく話しかける歩実に、香田は仕事の時とは少し違った顔を見せて、柔らかな空気が生まれていた。

元に連れられて入ったのは、クルー達がよく利用するいつものバーで、ちょっと期待ハズレなうらら。
彼女は今度の1件で辛い思いをしていると言って、歩実にまで厳しい言葉を投げられたことを話した。
うらら「ひどいと思いませんか?」
「うん…おまえの方がひどいんじゃない?」
歩実の味方をする元→付き合ってる?と問い詰めようとするうららだったが、話題はそれず、なおも香田との件のことを元にたしなめられていた。

そこへ、香田と歩実が連れ立ってバーの中へ入ってきた。しかも結構いい雰囲気。
思わず見つからないように体勢を変える元。それにを気付いたうららも後ろを見た。思わずあげたうららの声に香田と歩実も気付いて驚きがぶつかる。なんだか微妙〜な空気が流れた。主に元と歩実の間に…。
元「あの…そっちにいってもいいですか?」
とりあえず自分のことはさておき、香田とうららに話し合いの場を持たせようと、香田の了解を得て、移動しようとうららを引っ張る元。
「言いたいことがあるなら弁護士とか裁判所じゃなくて本人に言った方がいいって」
しかし、強引に香田の前に連れていかれたうららは、クルーでもない歩実がいたら嫌だと突っぱねた。
そんなうららを見ていて「自信がないんだ」と、「自分が正しいこと言ってるって自信があったら誰がいても話できるはず」と、またピシャリと指摘する歩実。
そこまで言われたうららは、いたたまれず「帰る」と言って店を出た。
歩実のことが気になる元だったが、誘った責任感みたいなものもあって、うららを追いかけた。
歩実も気になるようで、バーを出る元の後ろ姿をじっと見つめていた。
外に出た元は、涙を流すうららを見つけて「送っていく」と車に乗り込んだ。

店の中では、香田が、歩実を巻き込んでしまった形になったことを謝っていた。
「香田さんは何も悪くないです」と香田の方を気遣う歩実。そして香田といると安心すると口にした。そう思うのは安全にシップを飛ばそうとしていることがわかるから、と言うと、香田も光栄だ、と嬉しそう。
仕事をしている時には見せない柔らかさに押し出された歩実は、両親を12年前飛行機事故で亡くしたのがきっかけで、空の安全を守ろうという固い決意と共に整備士になったことを告白した。
その時、香田が険しい表情を見せたが、歩実はそれに気付かない。それよりも、同情されたくなくて会社の人にも言わなかったことを香田に言えたのが嬉しかったようで、「気が楽になった」と笑った。

元に送られて到着した自宅マンションの前で、うららは歩実に言われたことを認めた。
うららがC.A.になったのは、小さい頃から周囲の人にチヤホヤされていた自分を維持するためのようなもの。だが、現実はとても大変な仕事で、叱られてばかりのうららは、やりたい!という気持ちを持って仕事を選んだ元や歩実のように自信が持てないで、「いつ辞めてもいいかなぁ…」と思ったりもしたのだった。
話を聞いていた元は、辞めたいと思っていたうららの気持ちをはねかえしたりはせず、むしろ辞めてもいいような言い方をする。
「逆にさ、乗客として、こう、シップに乗ってるとするじゃない?
  そん時に、イヤイヤやってるC.A.さんにサービスされてもさ、…ね、ぶっちゃけヤじゃん?
  でもなー…、おまえ、キャビンでサービスしてる時はイイ顔して笑ってんだけどなー。」
思わぬ言葉にびっくりするうららに、元はさらに「もったいねぇな」と笑顔を見せた。
すると「抱きしめてください」と迫るうらら。そうしてくれたら香田への訴えを取り下げると言って車の中で迫り続けるうららから、車の天井に頭を打ちながらも慌てて逃げ出す元。
「そういう条件みたいなのって…ね、やじゃん。それに、マジで好きじゃないと。ね、違うでしょ!?」
打った頭を痛そうに押さえながらもキッパリと断る元。
うららは「ホンットにひどい人ですね」と笑顔を見せながら、マンションの中に入り、ふっきれたような表情でその場にたたずんだ。

帰宅した元は、エレベーターが開いた瞬間から、その真正面にある隣人の部屋をうかがいつつ自分の部屋へ。
鍵を開けていると「帰ってきた!」と嬉しそうな声が聞こえてきたので、急いで部屋の中へ逃げようとすると、今度は「兄貴」と呼ぶ声。隣の部屋から出てきたのは誠だった。
「なにやってんだ?」と、いぶかしげに尋ねると、部屋の前で待っていたら夕飯に誘われたと答える誠。
結局、隣の異邦人も出てきてしまった。
お義理のようなお礼を言いながら誠の頭を容赦なくペシッ!と叩くと、隣の異邦人が誠をかばう。
異邦人「そんなことしないで!私達のかわいい弟でしょ!?」
「ええっ!?」
「なんで?」
異邦人「もう!ショウちゃんのばか!!」
プリプリと自分の部屋に戻る異邦人にあっけにとられて、思わず「わかんねぇ!」と口にする元。
このおかしな状況を作ってくれた誠に構うことなく自分の部屋に入る元。誠もそれに続く。
「いつからショウちゃんになったの?」とか「あの人とデキてんだろ?」とか聞きまくりの誠だったが、そもそも何故ここに来ているのか分からない。
聞くと、どうも父・良治とケンカして家を出てきたらしい。誠は絶対戻らないと強固な態度を見せる。さらには高校を辞めるなんて口にする。
「高校辞める?」それには驚く元。そして呆れながら誠のそばにしゃがみ込むと「どいつもこいつもめんどくせぇ」とつぶやきながら、おもむろに誠の襟ぐりをグイッと引っ張りあげて部屋を出た。

実家に帰った元は、引きずるように無理矢理連れてきた誠を家の中に放り投げる。
「家出るって言っただろ!?」
「出たって何にも解決しねーだろうがよっ!」
「俺は考えて、すっげー考えて高校やめるって決めたんだ」
「…だって!」
良治は答えることなく、お茶をすすりながら帳簿に目を落としている。仕方なく、引き続き良治の代わりに誠の意志を尋ねた。
誠は家を継ぐことを考えて、家業と高校を2つ抱えたままでは中途半端だからと理由を話す。「高校辞めんのは中途半端じゃねぇのかよ」と痛いトコを突かれた誠、「兄貴が継がねぇからおれが継いでやってんだぞ!?」と元の痛いトコを突き返す。これには元も大きなため息をもらすしかなかった。
良治「うるせぇな!おめぇらに継がせる気なんかもともとねぇんだよ。ブツブツ言ってねぇで、出ていけ」
やっと口を開いたと思ったらそんな言い草の良治。その売り言葉をしっかり買って立ちあがった誠を、元は押し戻す。
父の方にも話し合うように声を掛ける元だったが、返事も相槌もなく立ちあがった良治に「なんで無視すんだよっ!」と叫ぶ。良治はそれにも構わず、家の奥に引っ込んでしまった。
まるっきり話し合いにならない状況に呆れる元。
「ったく、どいつもこいつも逃げやがってよー…。
  話せばわかるなんて言うつもりねぇけどさ、いいじゃねーかよ、わかんなくたって。
  ぶつかれよ!おまえも」
何も言わずに下を向く誠に思わず舌打ちをする元。
すると良治が戻ってきた。
良治は、元と誠に持ってきた上着を投げて、入口の戸を開けながら「竿持って来い」とだけ言った。

3人は海に出た。
移動中は良治が船を動かし、誠は夜の海をじっと見ているだけで、交わることがない。元も所在なげにうろうろ。
やがて船を止めて釣りを始めても、3人別々の方向を見て座って一言も交わさないでいると、良治がふと口を開いた。
良治「俺はな、こんなちっぽけな船じゃなくて、もっとでけぇ船にのってほしいんだよ。
   俺の、昔乗ったような船に乗ってな、360度どっち向いても海っていう世界に1度行って欲しいんだ。」
ゆったりと語る良治の言葉をかみしめる元。返事をしない誠は納得したのだろうか?元は海を見つめたまま誠に声を掛ける。
「わかったよ!もう。…おれ、船はすきだから」
「親父のことが好きだってよ」
「勝手につくんな。そんなこと言ってねーよ」
元に誠の蹴りが入ったのを皮切りに、「うるせぇな!」と良治に一喝されるまで2人の蹴り合いが続いた。しかも、良治の一喝に一瞬ひるんだものの、すぐさまケンカ復活の懲りない元と誠。
ケンカ三昧の兄弟、そして、それを見て思わず笑みをもらす良治を、穏やかな海とどこまでも広がる夜の闇が優しく包んでいた。

翌日、成田に出社した元を待ち構えていたようにうららが現れた。「責任、とって下さいね」と元の腕をしっかりつかまえて、うららが向かった先は監査室だった。
うららは香田に、訴えるのをやめると伝える。香田から受けた罵倒の数々は認めないが、せっかくC.A.になったのにそれに屈して辞めるのはバカバカしいと思った、と素直な気持ちを真っ直ぐに香田にぶつけた。
うらら「香田さんのこと許してあげます」
きっぱりと言い切ったうららを前に、香田がおもむろに立ちあがった。
香田「私は許さない。
   不完全なクルーはいらない。
   もし私のシップで君がミスをすればこれまで以上に指導するつもりだ」
予想だにしない香田の答えに、弱気になって助けを求めるように元を見るうらら。しかし元は「ファイト!」と言ってレフリーのような仕草でけしかけるだけ。意を決して再び香田と対峙するうらら。
うらら「はい。望むところです。いつか絶対香田さんに認めさせてみせます。」
香田「今の言葉、忘れないぞ」
うらら「はい」
退室しようと歩き出したうららにドアを開けてやる元。うららは、そんな元に目でお礼を言って監査室を後にした。
残された男2人、目が合ってなんだか妙な空気。やがて安心したような笑みを残して、元も監査室を出た。

香田がキャプテンとして入ったシップ。
ブリーフィングでの香田の挨拶に元気よく返事するうらら。
納得出来ずにギャレーでうららの気持ちを確かめるC.A.達にうららは「いいんです。新海さんが見ててくれたから」とだけ言った。ワケのわからない理由を聞かされたC.A.達の納得できない叫びを背にうけながら、うららは笑顔でフライト準備を始めた。

ターミナルの喫茶コーナーでは太田とジェーンが滑走路を見つめていた。
今回の1件が無事収まって胸をなでおろす太田に、ジェーンは「香田ちゃんは太田ちゃんの天敵じゃないの?」と本当にそう思っているのか真意のほどを確かめる。
太田「滅相もございません」
ジェーン「まぁね、ジョーカーのいないババ抜きは出来ねぇからな」
太田「ははっ(←空笑い)
   キャプテン・ジェーンはさしずめハートのキングでございますね」
ジェーン「おお、いいこと言ってくれるねぇ。じゃ太田ちゃんはさしずめクローバーの8ってとこかな!?」
太田「…意味不明でございますが、ありがたく頂戴いたします」
ジェーン「ハートのエースはあいつには渡さねぇぞ」
ばーん☆
ジェーンは手で作り出した銃口を窓の外に向けた。
太田「ジェーン??」

ハンガーから歩実を連れ出した元は、飛び立つシップを見えるベンチに座った。もちろん歩実も座ったが、端と端に座るその距離感がわだかまりを感じさせる。
元は香田とうららのことを歩実に報告したが、あまり多くを語ろうとしない元に歩実は邪険な態度を見せる。
「…あ、やきもちか」
その一言から、また元と歩実の言い合いが始まる。でも、実はお互いにやきもちが入っているので、どこまでいっても気持ちのいいやりとりではない。どうにも実りのないものに勝手に区切りをつけて、仕事に戻ると言って歩き出す歩実。元も立ちあがり、その後ろ姿に「おまえ鈍そうだからこの際言っとくけど」と前振りして、歩実のことがむかつく、と叫んだ。言われもない叫びに思わず振り返る歩実。
「おまえと香田さんが楽しげにしてんのって、なんか…すげーむかつくんだよ。
  …てーか、すげーやだった」
持っていたバナナを一口ぱくついて、ちょっとふてながらベンチに座り直す元。
その姿を見ていた歩実もこの際言ってみる。
歩実「あたしもむかついた」
「はい!?」
元はもう1度立ちあがり、歩実と向き合った。
歩実「あんたがあの女追っかけていったの、やな気分だった。…すっごい腹立った」
思わぬ告白に、元はこみあげる嬉しさに笑顔をこぼして、さらけ出した思いに合わせるように歩実との距離を縮めるために歩き出した。
 

 

☆★ 今週のキメゼリフ

 

☆★ この顔!この仕草!!ファン必見のリプレイポイント

 

☆★ 今週のベストショット

 

☆★ レポ担発信”ぶっちゃけツボなんです!”

 

 


★「GOOD LUCK!」INDEX★

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