☆ 前回のあらまし ☆
presented by.謎のイタリア人女性 (画面上は前回のダイジェスト)
ここでタイトルカードが画面を覆う。と、同時に流れる音楽。
ドラマへの道は続いているので、前回同様やたらと人口密度が高い拓哉の部屋。
脚本家・宮藤は、「早く話を戻して〜」と文句を言うひかりをたしなめて、話を進めるべく新しい紙を手に取る。
「こんなんで80%とれないぜ」という淳の一言で、拓哉が、数字(視聴率)を取れる要素を入れていこう!と提案する。
ひかりから「動物とか?」と案が出る。ハイ、決まり!動物を入れるように宮藤をせきたてる拓哉。
促されるままに話の先を書いた紙が、すっかりスキャナー係におさまった木村Yに手渡され、スキャナーに通されてる。
そして、グルグル回る渦巻き画面になった。
拓也とひかりが再会を果たした喫茶店からはじまる。
拓也はコーヒーを口に含み、カップを置いて話し始める。
拓也「あなたですよね、彼女の元同僚だったって人は。」
神妙な空気が流れる。そんな空気の中では拓也の顔つきも神妙だ。
しかし、拓也の胸から上が映し出されると、頭上にはその場の空気に到底そぐわない1羽のハト。
拓也「教えて下さい。3年前に何があったんです?」
拓也の言葉に動揺を見せる淳の頭上にも、同じように1羽のハト。
淳の後ろ、カウンターにいる上野倉と木村Yの頭上にも、それぞれ1羽のハトが。
淳「・・・何故そんなことを聞くんだ?」
拓也「彼女の記憶を取り戻したいんです。」
カメラはさらに引いて喫茶店全体を映し出すと、それまで見切れていたカウンターに青島氏、ノッチ、サエが座っている。
彼らの頭上にも1羽ずつハトが。
淳「え?彼女、記憶喪失か何かになっているのかね!?」
拓也「はい。・・・3年から先の記憶を全く忘れてしまっているんです。」
淳「本当かね!?」
拓也「はい。(うなづく)」
ひかり「砦くん。」
拓也はひかりの声がする方を見上げる。すると、喫茶店に現れたひかりの頭上にも1羽のハトがのっていた・・・。
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宮藤「ねっ!なかなかサイコ・サスペンスな感じになってきたでしょ!?」
拓哉「・・・全然サイコじゃないすよ、これ。ヒッチコックの、なんか、『鳥』っぽいよ。」
拓哉の文句にあまり動じない宮藤。
このまま押し問答になっちゃう!?と思ったところで、それまで影の薄かった青島氏がまた茶々を入れはじめてきた。
青島「さっきから黙って聞いてりゃ何言ってんだよ〜。これからの時代はね、ホームドラマ!」
拓哉「えっ!?」
青島「今書いてるから、ねっ!」
拓哉「あ、意地悪系じゃないの?」
周りから笑いが起こる。
青島「昔とった杵柄。ハイッ!」
青島氏から新しい紙が渡され、木村Yがスキャナーに通す。グルグル回る渦巻き画面。
再び、全員がハトをのせたままの喫茶店。
拓也「よぉ〜し、みんな、家にメシ食いに来ないか?」
淳「(立ち上がって)いいね!」
木村Y「いいんですか?」
青島「そういえば、ちょうどお腹減ってたんだぁ。」
上野倉「僕もいいかな?」
ひかり「わたしもいい?」
ノッチ「私も!」
サエ「銀シャリでお願いしますよ、木村さん。」
拓也「(サエに向かって)君はくさいメシを食っていたのか?」
サエ「はい。」
場面変わって拓也の部屋。とりあえず頭上のハトはいなくなっている。
拓也「あ、遠慮しないでね。」
拓也を中心に段々引いていく画面。(視聴者側で見て)左から木村Y、ノッチ、淳、青島氏、拓也、サエ、上野倉、ひかり。
全員で横長のテーブルを囲み、茶碗に山盛りの銀シャリをほおばる。
青島「しかし、白いご飯ってのは美味いな。」
ひかり「ね、マヨネーズなぁい?」
拓也「マヨネーズ?なに、どうして?」
ひかり「白いご飯にマヨネーズかけて食べると美味しいのよ。タイコおばさんに教わったもん。あっ!それで思い出したんだけど、タイコおばさんのところに下宿してた、あの男の人の名前って、なんだっけ?」
拓也「わからないよ〜。だいたい”タイコおばさん”知らないもん。」
ひかり「あ、そっか。」
拓也「それよりさ、耳かきの先端についてる、あの、白いフサフサしたものって、名前なんて言うの?」
全員「知らな〜い。」
木村Y「座布団の、あの、四隅から出ている糸、あれ、なんて名前?」
全員「知らな〜い。」
淳「カレーライス入れる、魔法のランプみたいなの、あれ、名前なんて言うの?」
全員「知らな〜い。」
上野倉「野球帽のてっぺんについてる、あの丸いの、あれ、なんて名前?」
全員「知らな〜い。」
拓也「三角形の秘密ってなに?」
全員「えっ?」
拓也「♪三角形の秘密はね、教えてあげないよ」
全員「♪にゃん!」
拓也「あれって何?」
全員「知らな〜い。」
拓也「世の中って知らないことばかりだね〜。」
全員で納得の高笑い。
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拓哉「・・・ホームドラマにも何にもなってないっすよ。これ、大喜利じゃないっすか。」
文句を言う拓哉を「しょうがない」の一言であしらい取り合ってくれない青島氏は、次の紙を宮藤に渡す。
今度は、「ホームドラマには勢いがない」という上野倉の一言で、ハイ、決まり!勢い出しましょ。
宮藤は勢いをつける文字を書き足して、木村Yにその紙を渡す。
拓哉はスキャナーに通される紙を見て不安になる。
拓哉「なに?”軍団”って・・・」
グルグル回る渦巻き画面。
サエ「おかわり!」
さっきと同じくテーブルを囲む人々。さっきと違うのは、全員がサングラスをかけていること。
おおっ!それは大門(@西武警察)じゃないですか。
上野倉「こうやってサングラスかけてると、ご飯を早く食べなきゃいけない気になるよね。」
木村Y「なりませんよ。」
その割に、全員が一生懸命ご飯をかきこんで食べている。
青島「そりゃそうとさ。古いトランプって何故あんなにクサイのかね?」
全員「クサイね〜。」
ひかり「お風呂のフタもクサイよね〜。」
全員「クサイ、クサイ。」
ノッチ「でも、あの、足の、あの、ツメの、あの、脇のところにある黒いヤツ、1番クサイよね〜。」
全員「クサイ、クサイ。」
拓也「友達ん家ってクサイよね。」
全員「クサイ、クサイ。」
上野倉「崖ってクサイよね。」
一瞬、沈黙。
拓也「ん?・・・崖ってクサイですか?」
サエ「うん。意外とカビクサイんですよね。」
全員「クサイ、クサイ。」
淳「あの、オレの友達でよ、歯クサイの匂いかぎながら話すヤツいるんだ。」
全員「えっ?」
淳「いや、こんな感じだよ。(前歯に小指をつけては離し、を繰り返しながら)『ふ〜ん、そうなんだ。人間関係って大変だよね。わかるわかる。飲みに行こうよ、ぱーっと!』」
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クサそうに顔をゆがめる拓哉。
「人間臭さが出てたでしょ?」という宮藤に賞賛の拍手を送ったのは淳だけ。
拓哉は「人間臭さじゃなくて、クサイ話してるだけじゃん!」と突っ込むし、ひかりは自分の記憶喪失がどうなったか問い詰めるし。
人間クサイのもただクサイのも飛んじゃって面倒クサくなった宮藤は、ひかりの記憶を戻す!と言って新しい紙を木村Yに渡しスキャナーへ。
またまた戻る、拓也の部屋でテーブルを囲む人々へ。
ひかり「んっ!思い出した!私、あなたたちが大キライだったのよ。だから記憶を消したの。」
拓也「そっか・・・。じゃ、みんなで彼女に謝ろう。」
全員、茶碗と箸をテーブルに置いて、「すみませんでした」と、深々と頭を下げる。
そして再び何事もなかったかのようにご飯を食べ続けた。
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ひかり「なぁに、これ?メチャクチャじゃない!」
拓哉「おまえ、ホントにドラマ書いてんの?だからアレなんじゃない?(「ロケットボーイ」が)休止なんじゃないの?」
宮藤「ふあぁぁっ!おまえ、一番気にしてること言ったな!」
一番気にしてることには一番反応してしまうのが人間といふもの、とうとう逆ギレ最高潮に達した宮藤が身を乗り出す。
宮藤「いいか、おまえら、だいたいうるさいよ!だいたいね、脚本家ってのはドラマの支配者なんだよ。もうおまえら、オレの書いた通りに言やーいんだよ!」
宮藤、新しい紙を自らスキャナーへ投入。木村Yが手際よくレバーを回す。
グルグル回る渦巻き画面。
何回目だろう!?拓也の部屋でテーブルを囲む人々。
突然すくっとその場に立つひかり。
ひかり「女の人生につじつま合わせは必要ないの。ただその時輝いていたい、それだけなの。だから許して。」
拓也、茶碗と箸を置き立ち上がり、テーブルを1歩踏みしめて(よい子は真似しないでね♪)、ひかりの対局(視聴者側から見て左側)に立つ。
そして、ちょっと舞台調(竹の塚!?(笑))の台詞まわしでひかりに応える。
拓也「ああ、許すとも。なんて素晴らしい人間ドラマなんだ!これを書いたのが神様だとしたら、神様は天才だな。」
青島氏がその場に立ちテーブルに左足を乗せ(これも、よい子は真似しちゃダメですよ♪)、身を乗り出す。
青島「これで万事言うことなし!」
拓也「都知事もこう言ってる。」
淳「おおっ!ならば、それはそれでいいに決まっている。」
淳もその場に立つ。他の人々も次々と立ち上がり、青島氏を中心にして全員がカメラを見据えた。
青島「ここでお知らせがあります。世界都市博はとりあえず中止。あと、破綻した信用組合に300億円の公的資金投入なし。これは公約でしたからねっ。」
一同、青島氏に拍手を送る。
画面は変わって、都知事当時の青島氏の映像が入り始める。
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拓哉「ちょちょちょちょ、ちょっと待って!」
この声で、現実の拓哉の部屋に戻ると、取り乱した宮藤がいつの間にか古新聞を手にしていた。
拓哉「なに古新聞なんか入れてんの?ねぇ!」
拓哉の声に耳を貸すことなく、宮藤は「うわーっ!!」と叫びながら古新聞をスキャナーし続ける。
あまりの混乱ぶりを見かねて、周りの男衆が宮藤を取り押さえた。
拓哉「そんなことしたらフィクションとノンフィクションの差がなくなるっつーの!なぁっ!」
宮藤「結局な、フィクションはノンフィクションには勝てないんだよ!もうな、おれはドラマなんかやめた!もう明日から、オルゴール職人として生きてやるーーーっ!!」
取り押さえられたままだった宮藤は、拓哉たちの腕を振り払いながら言い放ち、周りの静止もきかずスキャナーに次々と古新聞を投入し続けた。
青島氏が都知事だった頃を象徴するジュリアナのお立ち台ギャルの映像が、渋い声の回想ナレーションと共に流れ出した。
『かくして世界都市博は中止。破綻した組合への特別融資は青島都知事の公約通り停止。それを民意と解した大蔵省は銀行の護送船団方式を放棄。大型金融機関が次々と破綻した。日本のバブル経済の崩壊が決定的になったのである。』
再び都知事時代の青島氏、そして都市博跡が映し出された後、画面は拓哉の部屋へ。
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興奮のあまりひきつけを起こした宮藤を押さえようとしているその中央で、拓哉はほぼ90度の角度で首をかしげてカメラを見る。
拓哉「・・・あれ?結局バブルにとどめを刺したのって、青島さん・・・ってことですよね!?」
青島「あれでも遅すぎたくらいだよ」
拓哉、かしげていた首をもとに戻して今度は青島氏を見る。
拓哉「じゃ、なんでもう1回バ、バブルってことなんすか?」
青島「ん!?・・・まははははは」
固まった空気が漂ったところでCM。この間拓哉の部屋では何が起こっていることやら・・・。
さっきまでの人口密度とは打って変わって一人になった拓哉の部屋。
拓哉はTV局キッドにひじをつき、頬づえついて思いっきり溜息をついた。
拓哉「えー、全員酔っ払いました!うー、こう、(胸に手をあて)気持ちを、立て直す前にですね、”建て直した方がいい家”をご覧下さい。」
TV局キッドのつまみを引くと、今にも壁が崩れ落ちそうな家が映る。
家の前に駐車しているワゴンに、軒下の骨組みがややかぶさっていて非常に危険な状態が見てとれる。
拓哉「あぶねー!あぶない。あれ、前の車がちょっとどいたら、(頭上から手を振り下ろして)どーんっ!!ってなりますね。建て直した方がいいですよ。」
そこへ、ノッチが新聞をひろげて読みながらやって来た。
拓哉「なんだよ!まだいんのかよ〜。」
ノッチ「木村さん、青島さんってバブルにとどめ刺した人なんすね〜。」
拓哉「なのにオレにバブルを復活させようとしてんだよ。わっかんねぇよ、あのヤロー。」
と、突然スモークを貼ったように暗くなる画面。そして画面右隅には「電池を交換して下さい」の文字が。
ノッチがそれに気づき「あっ」と声をあげた瞬間、どぉぉん!と、何かパワーダウンしたような音。
拓哉「なに?どしたの?」
何が起こったのかわからず辺りを見回す拓哉に、「木村さん、電池切れ」とノッチが教える。
拓哉は、あまりの唐突さにもう1回聞き返す。ノッチはさっきよりちょっと強い調子で「電池!」と答えて、画面右隅を指差した。
拓哉「えっ?えっ?これ、てゆーか、これ・・・えっ?電池で動いてんの?」
ノッチ「そうですよ!知らなかったんすか?今まで・・・」
拓哉「えっ、じゃあさ、じゃ、このケーブルはなに?・・・(ケーブルをたぐりよせながら)これ、コンセントじゃん。」
ノッチ「(小声で)コンセントじゃないでしょ。」
たぐりよせたケーブルの先は・・・。
拓哉「・・・あっ、カメラ!」
手にしたカメラをのぞく。すると、単2サイズの電池が映し出された。
拓哉「電池!?・・・(カメラのレンズが左へ旋回して)・・・あ、ゴング。」
ゴングの上からトンカチが振り下ろされる。
かーんっ!!
ゴングの音が響いた途端、右隅の文字が「省電力モード」に変わり、1/20の縮小画面がTVの中央に。
縮小画面以外の通常サイズ部分はまっくろけ。
拓哉「ちっちぇーーーっ!!」
1/20の画面じゃ、どんなに顔を近づけても小さいまま。
省電力モードは音声にも影響するのか、どんどん早送りしてるような可愛い声に変わっていく。
拓哉「ちょっと・・・やばいって!!ちょっと、電池買ってこよう!」
ノッチ「ちょっとダメすよ、木村さん。」
拓哉「電池・・・」
ノッチ「だってコレ!」
ノッチが差し出したのは毎度おなじみのゴボウ。
拓哉「これって・・・ゴボウ(5秒)前!・・・なんだよ!これ。」
拓哉、ゴボウを投げて次回予告フリップを手に画面を覆う。
拓哉「・・・ちっちぇーーーーーっ!!」
・・・っていうか、見えないよぉぉ!!(号泣)
☆ ちょ〜御勝手感想 from.レポ担 ☆
はちゃめちゃな番組でありつつも、木村拓哉の飽きない魅力をさりげなく見せてくれるって素晴らしい・・・(爆)
ハトが頭に乗っててもイカス男だぁね、まったく。大門サングラスもよくお似合いで・・・(^。^)
全員が真顔でハト乗せたり、大門サングラスしてたりするので、結局笑えるのがよいですな〜。
白いご飯にマヨネーズ、私も大好きです(小さい頃そればっか食べててじんましん出しちゃったことあるけど(^^;)。是非お試しあれ。
バブルをもう1回起こそうとしている青島氏がバブルにとどめを刺した、という長い伏線に、緻密な計算を感じて「やっぱあなどれん!TV’sHIGH」って思いました。
省電力モードにも参った!!「そー来るかっ!」っていうワクワク感がムクムク(なんじゃそりゃ(笑))。
1/20の画面から顔を近づけてくる木村くんは、魚眼レンズからのぞいているようにちょっと半魚ちっくで可愛かったし(*^_^*)
でも、それと同じくらい困った!!
このOn−Air、折りしもレポを担当することになって2、3書き始めていた頃で、省電力モードのおかげで全く見ることのできない次回予告フリップに、「読めるもんなら読んでみな、ぷんっ!」と挑戦状をたたきつけられた気分になって妙に哀しかったのを、今でも思い出します。
私の部屋の21型テレビじゃどうしたって読めず・・・ヨヨヨ(TT)
どなたかチャレンジされて木村拓哉の挑戦に打ち勝った暇人さん(爆)、是非ともお知らせ下さいまし〜。
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