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-1度目はストーリー、2度目はセリフや表情を。素敵なドラマは何度も楽しめる。-


このページは、No.1133 哉子がお伝えします。


★ 第6話 「急展開、殺人」 

★☆ ストーリー

お互いの距離を縮めて唇を合わせる涼と優子。

その頃完三は、ホントのことを聞いてほしいと日の出署にやってきた由紀を、刑事課の中に入るようにうながした。
由紀は完三の後について中に入り、うながされるままソファに座った。
完三が由紀のためにジュースを買いに廊下に出ると、杉田が現れた。
杉田は、由紀が三田の女子大生殺人事件に関連があるのか尋ねてきたが、完三は関係ないとはぐらかし、そのままジュースを買いに行った。

涼の部屋には、部屋を区切る格子にもたれる涼と、涼に背を向けて少し考え込むような表情でたたずむ優子がいた。
小鳥の鳴き声に応えて優しく鳥かごに手を伸ばす優子に、涼は「ずっといれば?」と声を掛けるが、優子は、そんな言葉を言う自分がどんな気持ちになるかを試したいだけで本気ではない、と涼を見透かしたように語る。
「なんで解るの?」と尋ねる涼へ、即座に優子が返した答えは、それが涼を理解している気でいたいための当てずっぽうであること。
そして、優子は、もうここへは来ない、とも言い残して部屋を出て行った。

完三がいない隙に、杉田は、由紀にコーヒーを持って行き、帰り際、自分の机の引き出しに何かを忍ばせてその場を去った。
去っていく杉田を目で追った由紀は、ふと背後の机の引き出しが開いていることに気づき、引っ張り出してみた。
引き出しの中に、杉田が忍ばせていった録音中のテープレコーダーを見つけ、途端に形相が変わる由紀。
完三がジュースを買って戻って来た時には、刑事課に人影はなかった。
机の上に無造作に置かれたテープレコーダーとテープ部分が全て引き出されたカセットテープを見て、全てを悟った完三だったが、すでに由紀は姿を消していた―。

翌朝、昨夜のことで言い争っていた完三と杉田だったが、そこへ課長の怒声が飛んだことで中断となり、完三が課長に呼ばれた。
課長の用件は、完三に以前から希望していた異動の内示が出たというものだった。
杉田は、完三の捜査態度まで持ち出す課長にくってかかったが、もう決まったことだとやんわり一蹴されてしまった。

部屋の中、鳥かごの前に座った涼は、服の上から火傷の跡をおさえながら、優子の言葉を思い返していた。
外から車の音が聞こえる。
瞬時に反応した涼は、外の様子をうかがいながら明かりを消して部屋を出た。

刑事課を出た完三は、杉田に異動のことを問いただされ「刑事は潮時」というような答えを出したが、交番勤務を考えていたようで、いざ決まってみれば警務という現実に渋い顔を見せるのであった。

外に出た涼は、尾行している人物を警戒しながらもそんな素振りを見せずに、裕希がバイトするバーへ向かった。
涼が尾行されていることを聞き、バーの中を見回してそれらしき人物を探す裕希は、その目の先に由紀を見つけた。
以前別れを切り出した気まずさから時に目を伏せたりして涼を見ていた由紀だったが、涼が優しい笑顔を向けて手招きをしてくれたことで、由紀は涼に駆け寄って抱きつき、そしてキスをした。
由紀の部屋で優しく愛撫してくれる涼に、由紀は、自分には涼しかいない、涼のためなら何でもやる、と言った。
しかし、不信感が消えた由紀の背中に優しいキスを浴びせる涼の目は冷ややかだった。

優子は日下と会っていた。会って今後の付き合いを断っていた。
日下は一度は理由を尋ねるものの、答えずらそうにする優子に臆して、そのままその場を去ろうとする。
日下の動揺に感化されるように慌てて後を追いながら、意を決して理由を話そうとするが「他に…」と言ったところで言葉に詰まる。
そんな優子を見て他に好きな人が出来たということに気付いた日下は、納得して優子の申し出にうなずいた。
そして言う。優子が幸せだったらそれでいい、と。
日下の言葉に応えられないかもしれない―そんな思いが、付き合いを断ったことと交錯し、優子に申し訳ないという表情を作らせるのだった。

完三はアイスクリーム屋に足を運んで、由紀に、あの夜のテープレコーダーのことを弁解しようとするが、由紀の無言の剣幕に負けて、過ぎたことをあれこれ言うのをやめた。
すると、由紀の方から捜査のために優しくしたのか、という問いが投げられた。
最初は否定した完三だったが、由紀に再び問われたとき、今度は「自分自身に聞いてみる」と目を閉じて由紀と出会ってからのことを反芻しているような仕草を見せ、「5%」そんな気持ちがあったと告白する。
そして、何に対しても中途半端にいい態度を取っていると、完三は自分を卑下するように語る。
でも刑事を辞めるので、それもこれで最後だと言う完三に、由紀は驚く。
完三は、「私なんか」と言う由紀に自信を持つように、と言葉を掛ける。
若いんだから、不器用なだけでまっすぐな心を持っているんだから、これから何処にだって行けるから、自分の行きたいところに行きな―そう言って、完三はアイスクリーム屋を後にした。

柏木と外で待ち合わせをしているから、と家を出る美羽。
しかし、行った先はジーンズショップで、服を全て買い換え、着ていた服を処分するよう店員に渡して店を出て行った。
美羽は『Reve』に電話して、涼に家を出たことを告げ、今日会えるかと尋ねた。
受話器の向こうの涼が、会えると答えながらもうっとうしげな表情をあらわにしていたことなど全く知る由もない美羽の声は、嬉しさに弾んでいた。

優子の携帯電話は呼び出し音が続くばかりだったが、完三が耳かきを探しに部屋へ入ってきたと同時に呼び出し音を切った。
部屋の中をグルグル探し回る完三に適当な答えを言った後、携帯電話に目を落としながら、優子は、電話を掛けるのを諦めて完三の後を追って部屋を出た。

ホテルの美羽を、涼が訪れた。
しばし美羽を見つめたまま沈黙する涼に、嬉しさいっぱいにドアを開けた美羽の顔が一瞬曇るが、そのすぐ後に涼が見せた笑顔に安心して、涼の胸にすがる美羽。
美羽を受けとめながら「入っていい?」と尋ねた涼は、美羽がうなずいたのを確認して部屋の中へ入っていった。

夕食の席で、完三は優子に刑事をやめることを言おうとするが、言葉に詰まり、結局日下との交際について尋ねてしまう。
が、優子もまた、日下に別れを告げたことを言えずに、他愛もない答えで返していた。

ホテルの部屋に入った涼は、豪華なベッドに身を投げた。
ベッドに寝そべったままの涼に寄り添った美羽が、じっと涼の顔を見ながら茶色く透き通るキャラメルのような涼の目にとろけそうと話している間に、涼は、リモコンを使って部屋中の電気を消していく。
そして、家を捨てた美羽の目には、これからは涼とずっと一緒にいるという強い意思が見える。
涼はいつのまにか窓辺に立ってカーテンを開けた。眼下に広がる夜景は、部屋の中よりも明るく見える。
涼は、夜景を背に微笑み、「ずっと一緒だよ」と言って美羽を抱き寄せた。

『Reve』の厨房は、まもなく到着する特別な客を迎えるため綿密な打ち合わせが行われていた。
その頃、店にその客が到着した。車から出てきたのは、柏木とその姉・小百合だった。
柏木たちの到着が厨房に知らされ、シェフたちが慌しく動き始める中、涼が柏木に呼ばれた。
柏木は、挨拶ついでに船上パーティーでのことを謝り、小百合を姉であり柏木グループの共同経営者と紹介する。
小百合には美羽のバースデーパーティーで涼と会ったことを話して、涼に美羽のことを尋ねてきたが、涼は素知らぬ振りを見せる。
涼に自分との格の差を実感させるかのように、柏木は小百合に、涼がケータリングに来ていたことを話す。
すると小百合は、今度催すホームパーティーのケータリングもお願いしたい、と言い出した。
その申し出にいつでも受けるという返事をして、涼は厨房に戻った。

化粧室から出た柏木は、忙しそうに行き来する涼を見つけて呼び止めた。
面白いことを聞いたと言って、三田の女子大生殺人事件の女子大生が涼と一緒に柏木所有の射撃場にいたのを従業員が憶えていた、と涼に話した。
この柏木の言葉で、以前から尾行していた人物が柏木の手の者であることに気づいた涼は、聞きたいことがあれば直接聞いたら?と柏木に突っかかった。
柏木は、涼をあしらい、美羽が自分の許へいればそれでいい、と言い残して食事の席に戻っていった。

完三は『たぬき』のカウンターで野球中継を肴に一杯ひっかけていた。
そこへ入ってきた美羽は、完三がいることに気づいてそのまま店を出ようとしたが、おばさんに声を掛けられ、完三にも気づかれてしまった。
定食屋にそぐわない美羽に驚いた完三だったが、美羽が涼と待ち合わせるために来たことを知ると、美羽を中へ案内し、おばさんから受け取ったおしぼりを渡した。
完三は、この状況を説明しようと話しかけてきた美羽を優しく制止して、美羽はもう大人なんだからもう口出しはしないような素振りを見せた。
戸惑う美羽に、完三は、涼に危険な香りを感じたことを撤回して案外いいヤツかも…と、自分の勘を、そして自分自身を卑下するように語り肩を落とした。
そんな時、涼が店に入ってきた。完三は2人を気遣いカウンターに向き直った。
涼は美羽の前に座ったが、すぐに立って完三の脇に水を取りに来た。
そこで三田の女子大生殺人事件の捜査経過を聞こうとする涼に、力なく進展していないことを教える完三。
涼は、いつもと違う完三の態度を不思議がって尋ねると、完三は刑事を辞めることを告白し、今までのことを謝った。
「悪魔の目や思うとったけど…、綺麗な目やな。…天使の目や。」
そう言って『たぬき』を出ていった完三の後ろ姿を、涼は鋭い目で見送った。

裕希のバーでビリヤードに興じる涼だったが、『たぬき』での完三が頭から離れなかった。
美羽は、そんな涼の様子や携帯に入った優子からの電話に気づくこともなく、初めて足を踏み入れる場所に浮かれるばかりだった。

翌日、涼はケータリングで柏木家に来ていた。
小百合の指示で中に入った涼は、ディスプレイされた花が落ちているのに気づいて立ち止まり、花を花瓶に戻した。
それを見ていた小百合と目が合うと、いけないことをしたような仕草で花瓶から手を離し、雑誌で見た柏木の新事業であるレストラン・チェーンの話を持ち出した。
小百合は、そのレストランへのスタッフとしてどうか、と涼にヘッド・ハンティングの話を持ちかけた。
歩きながら話していた涼と小百合だったが、パーティーが行われる部屋で待ち構えていた柏木が小百合への電話が入っていることを告げたことで、小百合は部屋を出ていった。
そのままケータリングの作業に入る涼の後を柏木がついていき、連絡がとれない美羽のことを涼に尋ねてきた。
一度は知らぬ振りをした涼だったが、柏木は常にバカにしているような口調で金目当てで美羽に近づいていると挑発してきた。
その挑発に応えるように、金目当てで美羽に近づいたが家を捨てると言い出して困っているから何とかしてほしい、と言い放つ涼。
さらに、『Reve』での熱い夜のことまで話し出した涼に、柏木は食ってかかろうとしたが、小百合が戻ってきたのをこれ幸いと、涼はケータリングに戻っていった。

美羽は母・京子によって連れ戻された。
家のカードを使って行動していては無理もない。
それを指摘し、どうしたってお嬢様である美羽には他にふさわしい人生がある、と説き伏せる京子に、美羽は固く口を閉ざしていたが、一点を見つめる目にはまだ強い意思が宿っていた。

連れ戻された美羽は、父・建造が柏木とクレー射撃に出掛けたのをいいことに、母・京子に用事を言いつけて外出させて、涼を呼びつけた。
建造が柏木を連れて戻ったら結婚話が固められるため、その前にどうしたらいいか話し合いたい、と言って、美羽は先に家の中へ入っていく。
涼は、自分の背中にあたる家具に目をやると、それは銃を収めている家具で、厳重に錠前が掛けられていた。

射撃を終えた柏木は、まだ仕事があるから先に行っててくれ、と建造から銃を渡された。

西原の部屋に入った涼は、柏木によって尾行されたことを話し、このままでは『Reve』をクビになるどころか命までも危うくなる可能性を匂わせて、しばらく距離を置いた方がいい、と言った。
そんなことをしたらもう会えなくなると危惧して取り乱す美羽を、涼は「大丈夫」といってなだめる。
「柏木さんがいなくなったらいいの?」―ふと思いついたようにつぶやいた美羽は、この言葉にうなづいた涼の腕にすがった。
そして、涼は西原家を後にした…。

その頃、完三は異動に伴う荷物の整理をはじめるところで、感慨深げに刑事課を見回していた。

柏木が西原家へ到着した。
建造が遅れて戻ることを告げくつろごうとする柏木に、美羽は好きな人がいるから結婚出来ないと告げた。
すると柏木は、パーティーで会った時に涼が発した言葉をそのまま美羽に伝えた。
なおも柏木を信用しない美羽に、涼には他に女がいることを告げ、家を出た美羽には何の価値もない、とバカにしたような口調で話を続けた。
話し終えた後ふと顔をあげると、銃を持った美羽が…。
それでも同じ口調のまま涼とのことをバカにする柏木に、美羽は銃口を向けた。

一方、ビリヤードに興じる涼は、美羽の行動を予測するかのようにキューを銃に見たてて、裕希を驚かせてみせた。

柏木は弾は入っていないだろうと笑っていたが、建造はときどき弾を抜くのを忘れるいう美羽の言葉を聞いて慌て始める。
後ずさりする柏木。それを追うように距離を保つ美羽。
柏木は、美羽に愛の言葉を告げ、涼と自分のどちらを信じるのか尋ねた。
美羽は答える。女は愛している人を信じる、と。
本格的に銃を構えた美羽に、柏木はもう一度弾が入っていないだろうと尋ねるが、美羽は「神様に聞いてみたら?」と言って引き金を引いた…。

涼が突いた玉は、涼にとってラッキーな当たりとなった。それを見た涼は、妖しく微笑む…。

完三は、ダンボールに整理した荷物の一番上に、三田の女子大生殺人事件の資料ファイル、そして、完三が最後まで気にかかっていたビデオラックの写真を乗せた。

その場に座り込み視線を向けた先には柏木が倒れていて、喉元からおびただしく血が流れているのを見て、美羽は現実に引き戻された。

完三が閉じたダンボールのふたには(廃棄)と書かれていた。
再び刑事課の中に視線を投げて感慨深げに見つめる完三は、背広を羽織り、寂しい背中を見せながら刑事課を去っていった…。

☆★ 今週のキメゼリフ

☆★ この顔!この仕草!!ファン必見のリプレイポイント

☆★ 今週のベストショット

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