<img src="images/logo/love2.gif" width=375 heigt=200> <p> 誠に申し訳ありませんがこのページはインターネットエクスプローラー3.0以上<br> ネットスケープナビゲーター3.0以上(プラグインが必要)で対応しています。<br> 上記のブラウザーソフトで見ていただければマクロメディア社のフラッシュを使用した<br> アニメがご覧になれます。<br> </p>

full report

 

 

 

 

 

 

epo10

ラブ・ジェネレーション
** レポート **


第10話
東京ラストデート


Reported By No.302ベガ


 

哲平が営業先から帰社してくる。廊下から部屋のガラス越しに仕事をしている理子が見える。
「私のこと寂しくさせないっていったじゃん」先日のデートでの理子の言葉を哲平は思い出す。自分の席に戻った哲平に、理子は事務的な態度だ。哲平はゆっくり話す約束をとりつけようと理子に話しかけるが、断られてしまう。出張帰りの課長のところへお茶をだしに行った理子は、帰りを待っていたと言い、退職願を机の上に置く。田舎へ帰って実家を手伝うという。驚く一同。知っていたかと同僚に聞かれても哲平は答えられない。場所を変えて話そうと部屋を出ていく課長と理子をただ見つめていた。

会社からの帰りに哲平は理子の部屋を訪ねた。大学の入学願書を出すために部屋に来ていた妹の緑に外へ出てもらい、ドアのところで話す二人。
「会社やめるってどういうこと。俺が原因なの」と尋ねる哲平に、実家のペンションの人手が足りなくなるからだと理子は答える。
「俺が行くなっていっても帰る?」
「なんでそんなこと言えるの?勝手だよ哲平は。」
「それはそっちだろ。こんな大事なこと俺に相談もしないで。」
「あたしがどうしようと関係ないでしょう。」
「関係あるよ。ちゃんと話し合ってやりなおしたいのにさ、そっちは聞く耳もたないじゃん」
「あたりまえじゃない。誰かを好きになるのも嫌いになるのもあっという間だったよ。だけど、信じられるって気持ちはそんなに簡単に取り戻せないんだよ。帰ってよ」つらくなって理子はドアを閉めてしまう。

新製品のコンペ参加を決めたことを哲平は課長に報告している。彼を評価し始めたクリエイティブ部と組んで頑張るよう、課長は自信なさげな哲平を励ますが、一方で退職届を出した理子とのことを心配しているとも告げる。

夕方帰宅したさなえは、マンションの前で待っていた荘一郎と出会う。荘一郎は中国へ逃げるような気持ちで行くのなら賛成できないと引き止める。が、もっと深く彼をを裏切ってしまった自分は引き止められる資格がない。哲平と何かあったのかときかれても、答えることも言い訳することもできない。

哲平は、エリカにフーラに呼び出されていく。とそこには理子に呼び出された吉本たちがいる。哲平だけが呼ばれてないと知り、エリカが気を使ったのだ。少し気まずい空気。それを遮るようにわざと明るく理子が話し出す。
「こいつと別れることにしました。はっきりいってすごいせいせいしてます。こういううそつきでスケベで大馬鹿野郎とはバカバカしくてつきあってられません。会社やめて田舎に帰るんで、もう顔も見なくてすみます。ほんとすっきり気分は爽快って感じです。以上!」
みんな驚く。つらそうな哲平。
「確かにスケベで大馬鹿やろうかもしれないけど、うそつきじゃないから。悪口言いたければ言えばいいし、100万回言って気が済まなければ100万回以上言えばいいことだし・・・それぐらいじゃ俺、気持ち変わんないから。俺ん中に別れたいって気持ちないから。」そういいながら、哲平の目がうるんでいく。
「何言ってんの。勝手に自分の気持ちばっかりしゃべっちゃって・・・馬鹿みたい。」
帰る、といって理子は席を立ってしまう。その眼も潤んでいる。

家の前まで来た理子は、さなえに会う。この間の哲平とのことを謝りたくて来たという。
「謝る必要なんかないですよ。いじわるをしようとしたわけじゃないでしょう。ただ哲平を好きなだけじゃないですか」
「はい、だから言い訳しません。でも私ふられたんです。俺が好きなのは理子だって、はっきり言われました。」
さなえの言葉に何も言わず部屋へと走り去る理子。

休日を返上してコンペの準備をする哲平の携帯電話が鳴る。さなえからだ。

理子は、エリカと空港のロビーで会っている。
哲平を許せないのはわがままだとエリカはたしなめるが、そうでなく、哲平が大好きだから同じくらい自分のことを好きでいてほしいと理子は思っている。だからこそもう一度会って哲平の気持ちを確かめるようにエリカは諭す。理子は納得したのか、少し笑っている。

哲平はさなえと会社へ帰る道を歩きながら話している。さなえから今度の土曜日に中国へたつことを聞く。荘一郎がさなえのことを心配しており中国へいってしまうのをつらく思うだろう、と引き止める哲平にここまでこじれたからしかたないと寂しそうにさなえは答える。そんな彼女に、
「そうかな。恋愛って、きれいなもののようにみんな思いこんでるところがある・・・二人が同じ気持ちで向かい合っている理想の恋愛って言う・・・でも実際はけんかして傷つけあって、いやなところつつきあって、それでも簡単には終わらせたくないっていう、そういうみっともないもんじゃない?」自分にも言い聞かせるように、ちょっと偉そうなこと言ったとてれる哲平。会社の入口の前に来たふたりは、元気でと互いに言葉をかわして別れた。

暗くなった部屋でサボテンを見つめる理子。

哲平は夜になっても寒い部屋で仕事を続けている。

次の日。会社で風邪気味の哲平。夜の接待を課長に言い渡され、ちょっとうんざりする。お茶を入れていると理子が話しかけてくる。
「話したいことがあるんだ。哲平の家に行って待ってる。遅くなってもいいから。」
うなずいた後、哲平はしばし考え込む。

その夜、長野に帰る緑を送っていけなくなったと理子は彼女にいう。哲平とのデートだと察知し、よりが戻ったら東京に来れないという緑に、自分の人生をいきなさいときっぱり理子は言う。

接待先のスナックで、時間を気にしてため息をつく哲平。そんな様子を課長が見守っている。

哲平の部屋で冷蔵庫に書かれた文字を眺めながら理子は彼の帰りを待っている。ふとベッドの下に指輪を見つける。
哲平とさなえがキスしていたあの夜のことを思い出して怖くなる。

接待先から急いで哲平は部屋に戻るが中は暗い。理子はいない。

自分の部屋に戻った理子。あかりもつけず座り込み、泣きながらこたつの上のサボテンをおもいきり投げつける。涙がとまらない。

哲平は理子を待ち続けるがこない。電話をしても出ない。理子の部屋を哲平は訪ねる。どうして部屋にいなかったのか、と聞かれた理子は妹を見送りに言ったとうそをつく。「今週の金曜日の送別会、その次の日の夜にバスで帰る。けんか別れするのいやだし、ちゃんと言っておこうと思って。」間をおいて理子が話しだす。
「どうしても帰る?」哲平が問いかける。
「だからいろいろ事情があるんだって。」
「うん・・・それはわかるんだけどさ・・・俺おまえと離れたくないからさ・・・そばにいてほしいから。」
「・・・わたしは、あなたのことが、嫌いになったの。だから、・・・ごめん。もう何も言わないで。」
涙が出そうになって扉を閉めようとする。哲平が押さえかけるがやがて離して、ドアが閉まる。
そのそばにこわれたサボテンの鉢を見つけた哲平は、ドアを叩き、
「送別会の次の日、お前が帰る1日を俺にくれないか。」気持ちをふりしぼって言う。
ドアの内側でしゃがみ込んで泣きながら理子はうなずいていた。

田舎へ帰る支度をする理子。会社ではみんなが黙ってその姿を見つめている。

理子の送別会。会社を辞めて田舎に帰るのは、哲平とうまくいかなくなったせいではなく、実家のペンションの人手が足りなくなったからで、実家やペンションの仕事が好きだから帰る、悔いはない。東京で、この会社で楽しく過ごせたのはみんなのおかげだと挨拶する。哲平を片桐さんと呼んでしまう。最後だからと明るく振る舞う理子に対して哲平は終始曇った表情のままだった。

帰宅し、部屋のベッドに座り、ひとり窓の外を見つめる理子。頬にひとすじの涙が。

哲平も自分の部屋でベッドに座り物思いに耽る。と、床のマットの下に指輪を発見。それを拾って見つめ、ハッとする。

次の日、最後のデートをする二人。これぞ東京という場所をみたいという理子のリクエストに、はとバスツアーを敢行する。ビデオカメラを持ち、理子は楽しそうに振る舞っているが、哲平はそんな気になれない。
その後哲平は、クリエイティブ時代の自信作のポスターがあるビルの屋上に理子をつれていく(上半身裸の男女の子供が月桂樹をかぶり、向かい合ってガラスのりんごにくちづけている。りんごの上に I apple you の文字)。他のものにとりかえられてしまう前に理子に見てもらいたかったのだ。いいポスターだが、後ろを振り返るのはらしくないと言う理子。ちょっとおちこむ哲平。哲平と初めて行った海に行きたいと理子がいい、二人は急いで立ち去る。

理子のダイヤの指輪をふたりで探したあの海辺に二人は来ていた。
「哲平がまた見つかるよっていってくれたダイヤ、また見つけたよ・・・大きくて、ピッカピカに光ってて、見てるだけでまぶしかった。大切にしよう、これだけはなくさないようにしようってずっと握りしめてたのに、あたしがバカだったからいつのまにかまた落っことしちゃってた。大事にしすぎたから落っことしちゃったのかなあ・・・」
哲平は黙ってきいていたが、突然海へ向かって歩き出す。「また見つけるんだよ。お前の落っことしたもの」「やめて!もういいよ!」半泣きで哲平の腕をつかんで止めようとする理子。よろけてふたりは波打ちぎわの手前でしゃがみこむ。哲平は、さなえが最後に自分の部屋に来たあの夜のことをきりだす。もういいと帰ろうとする理子を引き留め、ちゃんと聞いて欲しいと続ける。「あいつのこと少しでもなぐさめてやりたくて・・・弁解はしない。あのときなった携帯に確かに出なかった。おまえのこと裏切ったと思った。でも結局あいつに何もしてやれなかったんだよ。・・・お前が好きだから。俺の中におまえがいたからさ。・・・お前が好きだ。だからもう一度、もう一度やりなおそう。」
「ありがとう哲平。でももう遅いの。一生懸命決めたんだよ。だからもうそういうこというのよそう。」
そう言う理子の眼が潤んでいる。

中国へ旅立とうとするさなえを空港で待っていた荘一郎は、少しでも気持ちが残っているのならやりなおしたいと引き止める。自分が許せないと言うさなえをさらに止めようとするが、さなえは行ってしまった。

東京駅の前に来た哲平と理子。あたりはもう暗い。理子は泣きが入るからここで別れるという。これから仕事漬けの日々が待っていて、後ろを振り向かない性格の哲平は自分のことなんかすぐ忘れられると軽口をたたく。哲平は何も言わない。ふたりはもう会えなくなる実感がない。

理子の方から、別れのキス。

唇を離し、2歩後ずさりして理子が大声で話し出す。「覚えといてよ・・・あたしは本当に哲平なんか大嫌いになったんだから。約束して、何年かして街で偶然会っても、半径2メートル以内に近寄らないって。」「・・・理子さ」何か言おうとする哲平を遮って、「約束して!」「・・・わかった、約束する。」仕方ない。「サンキュー・・ばいばい哲平」最後に笑顔をみせて、理子はバス停へ走っていった。
哲平はそれを見つめるしかない。

部屋に戻り、哲平は冷蔵庫のらくがきをみつめる。これを書いた日の理子を思い出す。哲平が好きだという気持ちがあふれ出ていた朝。

次の日。朝食をとろうとした店でもまた、哲平は理子を思い出す。

休日出勤をする哲平。席に着くと足下にストーブとマフラー、机の上には弁当箱と理子からの手紙がある。
「風邪ひくなよ。ガンバレ!半径2m以内には近づかないけど遠くから応援してるよ。」
弁当箱はまだあたたかい。哲平は東京駅へ向かうため会社を飛び出す。

駅前でタクシーを降り、哲平はバス停まで全力で走っていく。長野へ帰るバスに乗ろうとしていた理子を見つけて、そこから引きずり降ろす。
「帰るな。何もかもどうでもいいから、俺のそばにいてくれよ。俺のこと大嫌いでもいいから。その分俺が好きになるから。」
理子はしばらく黙っていたが、「哲平のことが大嫌いなんて、うそにきまってるじゃん。わたしは自分が嫌いになっちゃったおいの。哲平のことを疑って疑って、最後まで信じられなかったの。そういう自分が嫌になっちゃったの。」
「だったらまた信じればいいだろ」「あたしのこといくじなしって言っていいから。でも、もう傷つきたくない。ごめんね哲平。あたし自分に負けちゃった。ひきとめてもらう資格なんかないんだよ。」その言葉にそうじゃないと首を振る哲平。もう一度呼び止めた一瞬、理子が乗り込んだバスのドアが閉まる。理子の目に涙があふれる。

駅を出ていくバスを哲平は追っていこうとしてやがてあきらめ、ずっと見つめていた。

 


★ラブジェネレーション・目次★

☆スタートページへ