土俗信仰

御 マラ様

群馬県 ・ 多野郡 ・ 中里村、大字 ・ 神々原 ( かがはら )、( 現、神流町、かんなちょう )、字 ・ 間物 ( まもの )地区の中央にかかる橋の真上には、長い注連縄 ( しめなわ ) が渡してあり、その真ん中には オンマラサマ と呼ぶ木製の男根が吊してあります。

毎年 1 月 14 日の小正月に新しいものに取り替えますが、祀る目的は村を災難から守るためです。

注:)
小正月とは陰暦で 1 月 1 日の大正月に対して、1 月 15 日を中心にした数日間をいいます。その年の農作物の豊凶や天候などを占う 「 年占 ( としうら )」の行事や、「 どんと焼き( 左義長、さぎちょう ) 」、「 小正月の訪問 」 の行事などがおこなわれ、二番正月ともいいます。

金精様

金精神とは男根を祀る神で、ご神体は男根に似た自然石、または 石、金属、木で男根を形どった物です。縁結び、子授け、安産などに効験があるとされます。写真は岩手県 ・ 遠野市 ・ 西内 ( にしない ) の畑の 「 真ん中に立つ 」、高さ 80 センチ の コンセイサマ ( 金精さま )で、「 子宝祈願 」 や 「 下の病気 」 の快癒祈願の対象になっています。

そういう理由だけならば、あまり人目に付きにくい山の陰や道端に祀る方が自然ですが、畑の真ん中に立てて祀ることは、農作物の豊作祈願との関係があるからです。

陽石

陽石とは男根の形をした石で、豊饒、多産の象徴として祀られています。古くは縄文時代から存在していて、写真は長野県 ・ 南佐久郡 ・ 佐久町 ・ 高野町 ・ 北沢の、縄文中期の集落遺跡から発見されたものです。

男根を形どった石棒 は、地上の長さ 1.4 メートル、地下 1.1 メートル の巨大なものですが、同様な石棒は長野県 ・ 岡谷市 ・ 河岸 ・ 高尾 ・ 広畑遺跡 ( 1.1 メートル )、山梨県 韮崎市 ・ 穂坂 ・ 法泉寺 ( 1.14 メートル )にもあります。


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